疥癬(scabies)その3
こんな風に なってはいけない。

(兼六園の写真シリーズ)
carerの時代は、まだそれほど
「資格至上主義」ではなかったので、
現場にいるときは、社会福祉士の資格とヘルパー3級の資格で
普通に介護をしていました。
帰国後、介護系の資格が必要と思って
ヘルパー2級講座を受けました。
これはその現場実習先での話です。
特養やナーシングホームで働いていた経験を
特に話す必要もなかったので、
実習先には言わないでおきました。
オリエンテーションで、
担当者の男性がこう言われました。
「ここにいるお年寄りは、皆【もうろく】しているんです。
だから、お年寄りに何か言われても
よく聞いてはいけませんよ。
ときどき、おばちゃんのヘルパー実習生が、話を鵜呑みにして
その都度職員に連絡をするもんだから、困るんですよ。
いいですか?お年寄りのことは、放っておくんですよ」
・・・・・は????
こういう不快な話から、実習は始まりました。

実習中、職員がぼそぼそ話しているのが聞こえました。
「●●さんも、××さんも、△△さんも、疥癬かもしれないんですって」
「でもお医者さんの診断は、疥癬じゃなかったんでしょ?
大丈夫よ」
「でも、●●さんのお腹見た?真っ赤なブツブツでいっぱいよ」
「あの人、特にすごくひどいわよね」
●●さんは、
座位は保てるものの立位が保てず、
お食事もご自分で摂取出来ず、
お話もままならない方でした。
carerが別のお客さまの介助をしていると、
主任看護師さんが介護士さんにこう言っているのが聞こえました。
「あの実習生、2日間来るんでしょ。
いい?実習生は●●さん担当にさせて」
・・・・はい????
「疥癬は外の人にうつしてはならない」
という鉄則はどこへ行ったの????
とにかく、carerは●●さんの担当になりました。
その日は入浴日だったので
●●さんの車椅子を押して脱衣室に行くと
あの特有なにおいがします。
(うわ~!疥癬の薬、オイラックスのにおいだ!!)
●●さんの脱衣介助をしていると、
うわさ話の通りでした。
腹部が広域に渡って、疥癬トンネルと
赤い掻きむしりで真っ赤になっています。
(ひどいなあ、これじゃオイラックスだけでは治らないよ。
早く別の薬で処置してあげないと、痒くて眠れないだろうに)
主任看護師さんは、近寄るのも嫌なようで
ひどい目つきで●●さんを遠目で見ており、
●●さんへの薬の塗布は、介護士さんにやらせています。
(まるで汚いものを見るようで、●●さんがあまりにかわいそうだ!)
夕食の時間になり、
介護士さんに言われて別のお客さまの食事介助をしていると
主任看護師さんが怒鳴っているのが聞こえました。
「ちょっと!●●さんは実習生の担当って言ったでしょ!!
あなた(別の介護士さん)が食事介助しちゃダメよ!」
そう怒鳴られた介護士さんは、carerのところに来て
言いました。
「ごめんね、実習生さん。●●さんて、慣れた人の介助でないと
お食事を召し上がってくれなくて難しい人なんだけど、
かわってくれる?」
ところが、carerが食事介助に入ると、
●●さんは、ぱくぱく召し上がって下さいます。
(きっと「食事介助が」慣れた人でないと
お食事して下さらないんだろうな~)
介護士さんが次々に
「あら、あなた、うまいわね~」
「●●さん、あなたが好きみたいね」
などと言うものですから、
主任看護師さんは、面白くなかったのでしょうか。
carerに向かって怒鳴り始めました。
「実習生!!なんで左手で介助してるのよ!馬鹿じゃないの?
お年寄りには右手で介助しなきゃダメなのよ!」
・・・・・。
そんな決まりがあったとは知りませんでした(嫌味)。
「失礼しました。じゃあ右手で介助しますね」
(carerは左利きだけど、右手も使えるんだよ~。ふ~んだ)

嫌~な主任看護師さんからのいじめと
3度目の疥癬をもらって、
実習は終わりました。
ヘルパー2級は、人気の講座です。
今や、看護師さんでも取得しに来るのです。
どうして、未経験者だけが来ると思うのでしょうか。
もちろん、carerはレポート用紙3枚にわたって
事実を書き連ね、派遣元に提出しました。
それで効果があるとは、あまり思っていませんが
同業の施設が「あれ」では、ひどすぎます。
実習生を受け入れる介護現場の皆さま
厳しく指導するのは良いですが、
実習生を「いじめ」てはいけませんよ。
何より、「疥癬」や「MRSA」など
感染症をお持ちのお客さまの介護を
防護服もつけさせない実習生に、任せてはいけないんです。























