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達人の里
対話の達人
 第6回『ミニセッション…その2』

~よもやまばなし①~で「普通のおしゃべりがいいんでしょうね」
と書きましたが、こんな本を見つけました。

『「おしゃべり心療回想法」-認知症予防のための「脳環境」づくり-』
小林幹児著 論創社

この本には
「楽しくおしゃべりすると認知症にならない」
「生活行動を維持させる『10歳~15歳の記憶』」
といった興味深い内容がわかりやすく書かれていて、
本当に「普通のおしゃべりがいい」ことが立証されています。

そして今回のセッションは…

ミニセッション2「10歳~15歳の頃の思い出」

普通に生活していたら10歳から15歳の頃のことを思い出すことは少ないと思います。
皆さんはどうですか?

ちょっと思い出してみませんか?

10歳といったら小学4年生、15歳といったら中学3年生ですね。
その頃、どんな子どもでしたか?
どんな生活・あそび・勉強をしていましたか?

私は10歳くらいから外で遊ぶより家の中で遊ぶことが多くなりました。

年がばれそうですが、モンチッチ(指をしゃぶっているサルのぬいぐるみ)の服を縫ったり
フエルト細工などの手芸にはまりはじめました。

中学生になって、手芸にますますはまり、受験勉強もろくにしないで
編み物しては親に怒られたり、あきれられたり・・・・
「どうしたら手芸家になれるか?」なんて本気で考えている子どもでした。

今も健在!モンチッチ 今も健在!モンチッチ 今も健在!モンチッチ

どうですか?
皆さんは何か思い出されましたか?
思い出された方は、今どんな気持ちですか?

私は単純に「あー私は手芸が好きだったんだあ」と思い出して
「久しぶりにフエルトでも買ってみようかしら」
「何か作ってみようかしら」と思いました。

実際は何も買いに行ったり、作ったりしていないのですがちょっとわくわくしています。
「私は手先が器用だったんだ」と得意なことを思い出したからでしょうか?
本来の自分を取り戻したようななんだかいい気分です。

日々の生活に追われて、仕事に追われて、ちょっと自分を見失うことは
誰にでもあるんじゃないでしょうか?

でも、そんなときに「本来の自分を取り戻す」ということはおおげさかもしれませんが
生きる意欲につながります。
自分の思い出によって今の自分が元気になるなんてすごいことですよね。

これが「『10歳から15歳の記憶』が生活行動を維持させる」ということだと思います。
ぜひ、自問自答ではなく「おしゃべり」してみてくださいね。

そして、介護の現場に携わっている方は
「10歳から15歳くらいの頃はどんなお子さんでしたか?」
とお客様(サービスを利用されている方、入居されている方)に聞いてみませんか?
だって、ADLの維持や向上につながるかもしれないんですから・・・

まずは友人や家族とおしゃべりして自分の思い出を呼び水としてだせるように。
それから、お客様に問いかけてみてくださいね。

その際の受け答えは「間」を大切に・・・
「普通よー」とか「何も思い出せないわ」とかおっしゃっても嫌そうでなければあきらめずに
「おとなしいほうでしたか?おてんばでしたか?」とクローズドで聞いてみましょう。

「そうねえ、おとなしいほうかなあ」とおっしゃったら
「おとなしいほうだったんですねえ」と繰り返してみましょう。

 話し手の座っているイスになったつもりで聴く…

普段はテンポよく話している方も『ちょっとのんびり』を心がけて。
ポイントは話し手の言葉を繰り返すことです。
繰り返した後は何もしゃべらずに言葉が出るのを待ちます。
待てない人は心の中でもう一度繰り返すといいでしょう。

心の中でもう一度
   (おとなしいほうだったんですね)


「そうよ、おとなしいというよりのんびり屋さんかしらね」
「親に『○○ちゃんご飯よー』と呼ばれても数秒してから『はーい』って答えるようなね・・・」
「長女だからおっとりしてたのかしらね・・・」

なんて、思い出の泉が湧きだすことでしょう。
 (これは実際あった話です)

同じ言葉を繰り返すことが「わたしはちゃんと聴いていますよ」と受容の姿勢を伝えることになります。
自分の心の中でもう一度繰り返すことが話し手の考える時間となりとてもいい「間」になります。

ちなみにグループ回想法の中では
話し手の言葉を、話し手に対して1回繰り返した後、もう1回他のメンバーに向かって
「○○さんはおとなしいお子さんだったそうです」と繰り返します。

私はもともとのんびりしているほうなのでこんな受け答えの「間」を居心地よく感じますが、
頭の回転が速い方はちょっと辛く感じるかもしれませんね。

でも、一度試してみてください。
「繰り返し」と「間」。
普段の会話にも取り入れると効果を感じられますよ!
「そう!そうなの!」と話し手が気持よく話してくれます。

職場でも家庭でも、ぜひお試しください。

2007年8月22日


 
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